芥川賞歴代受賞者

1905年(明治38年)7月2日 ～ 1985年(昭和60年)1月31日

享年79歳。

秋田県横手市に生まれる。

稲田大学文学部英文科中退。

1930年（昭和5年）、ブラジルに渡り、帰国後、新早稲田文学の同人となり文筆を続けた。

1935年（昭和10年）、ブラジルの農場での体験をもとにした「蒼氓」で第1回芥川賞を受賞。

戦後の1946年（昭和21年）、第22回衆議院議員総選挙に立候補するが落選。

その後、社会派作家として「人間の壁」や「金環蝕」などを発表。

日本ペンクラブ会長、日本文芸家協会理事長など要職を歴任した。

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1900年(明治33年)7月5日 ～ 1979年(昭和54年)6月2日

享年78歳。

新潟県上越市竪春日町出身。

本名は小田武夫。

東京外国語大学支那語学科卒業。

外務省に入省後、外務書記として中国・杭州の領事館などに勤務。

1926年（大正15年）、同人誌「葡萄園」に参加。

後に「文藝都市」にも寄稿した。

1936年（昭和11年）、中国杭州を舞台に排日運動を描いた「城外」で第3回芥川賞を受賞。

その後、「高陽草子」など郷土の上越地方を題材とした作品のほか、中国に目を向けた多くの作品を発表。

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1902年(明治35年)2月19日 ～ 1988年(昭和63年)4月1日

享年86歳。

福岡県北九州市小倉北区出身。

現：福岡県立育徳館高等学校卒業。

上京後、全国を渡り歩き、農夫、馬車曳き、職工などを経験。

名古屋市で労働組合運動に挺身、民主主義運動に参加した。

1935年（昭和10年）、作家の伊藤永之介らと、「小説」を創刊し「コシャマイン記」を発表。

翌年、同作で第3回芥川賞を受賞。

戦後、日本社会党に入党し日本農民文学会また、社会主義文学クラブなどの発足に尽力した。

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1899年(明治32年)3月7日 ～ 1987年(昭和62年)12月29日

享年88歳。

東京都台東区蔵前に生まれる。

本名は読み：淳（きよし）。

東京外国語学校フランス語科卒業。

日本銀行調査部勤務や、海軍砲術学校フランス語講師などを務めた。

1922年（大正11年）、同人誌「現代文学」創刊に参加。

「鬼火」や「ある午後の風景」など、小説の習作を発表。

1937年（昭和12年）、「普賢（ふげん）」で第4回芥川賞を受賞。

戦後、旺盛な活動を再開し「焼跡のイエス」や「処女懐胎」などの作品を発表。

太宰治、織田作之助らとともに無頼派と呼ばれ注目を集めた。

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1902年(明治35年)3月29日 ～ 1970年(昭和45年)1月15日

享年67歳。

大分県大分市に生まれる。

東京美術学校（現：東京芸術大学美術学部の前身）中退。

新愛知新聞（現：中日新聞）に入社し漫画記者として勤務。

画家としても知られ、1921年（大正10年）から2年連続で帝展入選を果した。

1925年には同人誌「鷲の巣」を創刊するなど作家としても活動。

1937年（昭和12年）、「地中海」で第4回芥川賞を受賞。

戦後は児童読物や、外国文学の児童向け翻訳が作品の主流となった。

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1899年(明治32年)12月25日 ～ 1983年(昭和58年)3月31日

享年83歳。

神奈川県小田原市出身。

父の赴任先の三重県伊勢市に生まれる。

早稲田大学文学部国文科卒業。

1925年（大正14年）、同人雑誌「主潮」に「二月の蜜蜂」を発表し注目された。

その後、長い停滞期を経て、1931年、松枝夫人との結婚を機に再起。

1937年（昭和12年）、短篇集「暢気眼鏡」で第5回芥川賞を受賞。

他の代表作に「虫のいろいろ」や「すみっこ」「まぼろしの記」などがある。

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1907年(明治40年)1月25日 ～ 1960年(昭和35年)1月24日

享年52歳。

福岡県北九州市若松区に生まれる。

本名は玉井勝則。

早稲田大学英文科中退（卒業直前に兵役に服す）。

除隊後は家業の沖仲士の組頭 玉井組を継いだ。

1937年（昭和12年）、日中戦争出征前に書いた「糞尿譚」で 第6回芥川賞を受賞。

以降、戦地から送った従軍記「麦と兵隊」などが評判を得た。

復員後も兵隊作家として注目を浴び、人気作家となった。

また、死因が睡眠薬自殺であったことが、13回忌の際に遺族により公表され、社会に衝撃を与えた。

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1900年(明治33年)10月5日 ～ 1969年(昭和44年)8月19日

享年68歳。

福島県白河市に生まれる。

本名は中山 議秀（なかやま よしひで）。

早稲田大学文学部英文科卒業。

卒業後、中学英語教師を勤める傍ら、著作業を始め、著作集「電光」を刊行。

1938年（昭和13年）、現：福島県須賀川市を舞台にした「厚物咲」で第7回芥川賞を受賞。

翌年、「碑」を発表するなど文壇での評価を高めた。

戦後、「新剣豪伝」や「信夫の鷹」「咲庵」など時代小説を発表し注目を集めた。

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1909年(明治42年)12月23日 ～ 1987年(昭和62年)4月5日

享年77歳。

神奈川県藤沢市に生まれる。

現：川崎市立川崎高等学校卒業。

結婚後、主婦作家としてデビュー。

1939年（昭和14年）、国際結婚の明暗を描いた「乗合馬車」で第8回芥川賞を受賞。

女性初の芥川賞受賞となった。

以後、老境を描いた「歌枕」で読売文学賞。

「わが庵」で芸術院恩賜賞。

「誰袖草」で女流文学賞などを受賞。

また、中年の恋を描いた「時雨の記」は、没後に吉永小百合、渡哲也の共演で映画化された。

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1904年(明治37年)10月17日 ～ 1957年(昭和32年)12月21日

享年53歳。

福岡県柳川市に生まれる。

本名は藤田 正俊（旧姓は堤）。

福岡師範学校卒業。

柳川で小学校教師を務め多後に上京し、同人誌に参加した。

1939年（昭和14年）、「あさくさの子供」で第9回芥川賞を受賞。

また、児童文学者としても知られ「春の童謡」などの作品を発表。

戦後、北原白秋を描いた「からたちの花」や、「静かなる怒濤」「虹の立たない国」などの著書がある。

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1911年(明治44年)7月2日 ～ 1970年(昭和45年)8月2日

享年59歳。

神奈川県横浜市保土ヶ谷出身。

現：群馬県立前橋高等学校中退。

国鉄職員として勤務の傍ら、同人誌「文芸首都」に参加。

1939年（昭和14年）、「鶏騒動」で第9回芥川賞を受賞。

太平洋戦争時は海軍報道班員としてラバウルへ赴いた。

戦後の作品に「虚無の式典」や「幸福な切符」「国鉄幹線」などがある。

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1908年(明治41年)1月1日 ～ 1977年(昭和52年)1月25日

享年69歳。

北海道羽幌町出身。

本名は菅原 憲光（すがわら のりみつ）。

法政大学中退。

東京・高円寺での古書店を経営。

1940年（昭和15年）、樺太を舞台に、老マタギとの出会を描いた「密猟者」で第10回芥川賞を受賞。

1944年、海軍報道班員として従軍し、フィリピンで米軍捕虜となり約3年間の抑留生活を送った。

戦後は大衆文学に転じ、「野性の唇」や「吹雪と原始林」「熊」などの作品がある。

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1907年(明治40年)1月18日 ～ 1974年(1974年)12月28日

享年67歳。

東京都に生まれる。

本名は安藤 煕（あんどう ひろし）。

現：東京大学独文科卒業。

旧制水戸高等学校や東大、独協大などの教授を歴任。

同人雑誌「作家精神」の同人となり、歴史小説を書いた。

1936年（昭和11年）、「遣唐船」で芥川賞候補となり注目された。

1940年（昭和15年）、大伴家持を描いた歴史短篇「歌と門の盾」で芥川賞を授与されるが辞退。

戦後は東京大学教養学部教授を定年退官まで勤め、古典の子供向け翻案などの仕事をするに留まった。

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1897年(明治30年)1月20日 ～ 1980年(昭和55年)3月25日

享年83歳。

大阪市に生まれる。

現：東京大学独文科卒業。

在学中から同人雑誌に関わり小説や戯曲を発表。

1936年（昭和11年）、独文科の仲間である豊田三郎、高木卓、高橋義孝、および福田恆存、野口冨士男らと「作家精神」を創刊。

1941年（昭和16年）、平賀源内が実は生きていたという虚構短篇「平賀源内」で第12回芥川賞を受賞。

1946年（昭和21年）には源内の伝記長編「探求者」を発表している。

その後、安藤昌益や葛飾北斎など、歴史人物を題材にした多くの作品を発表。

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1912年(大正元年)8月18日 ～ 1980年(昭和55年)7月8日

享年67歳。

福井県福井市出身。

早稲田大学文学部仏文科卒業。

小説家で俳人の横光利一に師事。

1940年（昭和15年）、上海中華映画に入社して上海に渡った。

1941年（昭和16年）、「長江デルタ」で第13回芥川賞を受賞。

戦後、石田波郷の俳誌「鶴」に参加。

1962年、俳句雑誌「れもん」を創刊、主宰し、俳人としても知られた。

著作に「美しきライバル」や「風雲関ケ原」「織田信長」などがある。

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1914年(大正3年)5月7日 ～ 1991年(平成3年)8月25日

享年77歳。

東京都北区王子に生まれる。

本名は大島 好子（旧姓：芝木）。

現：東京都立白鴎高等学校卒業。

「文芸首都」の同人となった。

1942年（昭和17年）、戦時下、懸命に生きる女性の姿を描いた「青果の市」で第14回芥川賞を受賞。

1954年、歓楽街の女たちを描いた「洲崎パラダイス」は、新珠三千代主演で映画化された。

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1908年(明治41年)11月12日 ～ 1985年(昭和60年)4月16日

享年76歳。

東京市浅草に生まれる。

法政大学国文科卒業。

朝日新聞社社会部勤務を経て、武田麟太郎の「人民文庫」に参加し、作家活動に専念。

1941年（昭和15年）には池田源尚、古沢元らと同人誌「麦」を創刊。

1943年（昭和17年）、「連絡員」で第16回芥川賞を受賞。

他の著書に、津軽三味線の名人 高橋竹山を取り上げた「津軽三味線」や「売られていぐ村」などがある。

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1904年(明治37年)9月5日 ～ 1987年(昭和62年)10月1日

享年83歳。

北海道小樽市出身。

現：北海道教育大学函館校卒業。

小樽市の花園国民学校教員を務めた後、大陸（内モンゴル）に渡る。

華北交通張家口鉄路局に勤務する傍ら、蒙疆文芸懇話会幹事を務めた。

1943年（昭和18年）、「纏足の頃」で第17回芥川賞を受賞。

戦後、「花の海」や「囘春室」「肉体の山河」「情婦」などの官能小説を発表。

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1902年(明治35年)3月9日 ～ 1962年(昭和37年)6月25日

享年60歳。

福島県二本松出身。

本名は野辺 慎一。

早稲田大学高等師範部國語漢文科卒業。

福島県立高校の教師の傍ら、創作を続けた。

1930年（昭和5年）、戯曲集「黎明を待つ人々」を自費出版。

1941年（昭和16年）、「東京日日新聞」の懸賞小説に「国土」が入選し、「サンデー毎日」に掲載された。

1944年（昭和19年）、「和紙」で第18回芥川賞を受賞。

一躍脚光を浴びたが、以降は創作から遠ざかった。

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1908年(明治41年)10月26日 ～ 1979年(昭和54年)3月8日

享年70歳。

山梨県北杜市須玉町に生まれる。

甲府商業学校中退。

職を転々とし、全農支部青年部書記をつとめるなど農民組合運動にも関わった。

その後、朝鮮で元山商業学校教師を務めた後、森永製菓満州本社の経理課長に就いた。

1944年、日本統治下の朝鮮の人々を描いた「登攀」で第19回芥川賞を受賞。

戦後、1950年（昭和25年）に甲府商業高校の教師となった。

他の著作は、没後の出版に「ひとりっ子の父」があるのみである。

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1911年(明治44年)10月21日 ～ 1999年(平成11年)11月9日

享年88歳。

北海道室蘭市に生まれる。

早稲田大学文学部仏文科卒業。

高等学院時代に中村八朗、辻亮一、多田裕計らと同人雑誌「黙示」を創刊。

大学時代には第三次「早稲田文学」復刊に参加した。

満州理化学工業に勤める傍ら、1937年に「海豹」を発表。

1944年（昭和19年）、応召中に「劉広福」で第19回芥川賞を受賞。

1946年（昭和21年）に復員し、妻子の戦災死を知った。

戦後の作品に「風祭」のほか、「母子鎮魂」や「私のソーニャ」など、求道的な私小説で知られた。

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1918年(大正7年)8月31日 ～ 2008年(平成20年)3月30日

享年89歳。

東京都渋谷区出身。

本名は清水 基嘉（読み同じ）。

現：都立九段高等学校に進むが胸を病んで中退。

1941年（昭和16年）、句誌「鶴」の主宰者 石田波郷の門に入った。

1945年（昭和20年）、「雁立」で第20回芥川賞を受賞。

1958年（昭和33年）、句誌「日矢」を主宰する傍ら、電通に勤務。

句集に「冥府」や「遊行」などがある。

また、鎌倉文学館の設立に加わり第2代館長を務めた。

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